やさぐれメモ

やさぐれたアラフォー男性の自由帳

機材スポーツにおける格差考

NHK「100分 de 名著」で『ディスタンクシオン』が取り上げられていた。これは機材スポーツ愛好家にとっては避けて通れない、社会学上の問題に関心を寄せるきっかけとしておすすめしたい。要はこのブログを始めるきっかけでもあった「うちらの世界」、言い換えれば「逆うちらの世界」。

 

 

日本のZWIFTチーム『JETT』のFacebookページで、気になるコメントを目にした。60歳以上の参加メンバーが少ないことについて、競い合う気持ちの他に「それなりの健康」「家庭の理解」「少しの財力」が必要だからではないか、という考察であった。それはおそらく事実だ。事実なんだが、これがささくれのように私の胸中に引っかかっている。

 

昔、「早稲田なんて人数多いんだから入りやすいはずだよ」と嘯いた早大生がいて、地方の名家の出だと聞いて、頭悪いなコイツと思った。

私は底辺受験生として、さらには電気代節約のため冷蔵庫の電源が入っていない、裕福でない家庭環境から難関大学に進学した身として、難関大学進学が当たり前な人間との断絶は深かった。打ちのめされた。代々木で知った広末涼子の推薦入試合格にも心がざわついた。選択科目『演技』で偏差値80だから仕方がないと自分を納得させた。

タイムシフトマシンで何度も繰り返して見る。ブルデューの思想は、かつて文系大学生であったなら、それなりの数の人が触れているはず。早い人は高校でも学ぶか。

たとえブルデューの名を知らなくても、きちんとした社会科学系統の専攻の出身であれば、自由資本主義における階級社会の醸成というある種の矛盾について必ず学ぶはず。そうでもないか?

どんなに頑張っても親の出自と、それに伴う家庭環境。これでその子の、その後の人生の大部分が決まってしまう。悲しいけどこれ、戦争なのよね。階級社会における階級闘争。教育を受けてこなかったら教育への理解が乏しくなる(もちろん、教育を受けてこなかったことによる不利益を被って教育の大切さを知ることもあるだろうが、不利益を被っても気が付かない人も多いだろう)。

 

1台数十万円もするロードバイクを乗り回すのは、乗り回すに十分健康であることは前提として、それなりの財力と、そもそもロードバイクという文化を知ってそれに触れることができる環境にあることを意味する。

さらにはローラー台、ZWIFTで遊ぶ余裕があることが意味するところは何か。有閑階級。戸建てor高級タワマン✕スマートローラー。在宅勤務になったDINKSの友人がほぼ毎日のように動画をアップしている。育児は暇つぶしには最高だな。風呂場や廊下、ベランダで回している人とはわけが違う。

 

そういうことだよ。機材スポーツ。私たちが選んだんじゃない。私たちは趣味に選ばされているんだ。時間と金と心に余裕のある人だけが楽しめるのだ。それでも抗いたい。雇われの身の私は身を粉にして働いているが、それでもZWIFTをやりたい。階層移動を図りたい。

 

新型コロナウィルスの感染者が爆増し始めた。落車するような乗り方は自粛する。すなわち深夜早朝にしか走れない私は、緊急事態宣言が出た春に続いて2度目の自粛。

ひとつだけ。親しい人間となら飲み会OKと錯覚している人は、ぜひその認識を改めて欲しいな。自転車のグループライトも同じ。そういう意識の低さが感染者の増加に拍車をかけていることに早く気が付いて欲しい。