やさぐれメモ

やさぐれたアラフォー男性の自由帳

ツール・ド・宮古島の思い出と事故に寄せて

ツール・ド・宮古島のレースでゴールスプリントでの接触・落車事故が起きて、お一人亡くなられたそうだ。なぜこの死亡事故に反応したかというと、数年前に自分自身もツール・ド・宮古島で、交通事故の当事者になってしまったからだ。

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奥さんと二人でレース前日の宮古島一周サイクリングコースにエントリー。宮古島が好きで好きで移住してしまったトライアスリートの知人を頼って島を訪問。金曜日に職場で有給休暇を貰って前日入り。初めての南国で大好きなロードバイクを夫婦で楽しむ。事故に遭うまでは最高の気分だった。

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参加したのはレース前日の"サイクリングコース"。雰囲気もほのぼの。走りながら、もう宮古島サイコー! と叫び続ける感じだった。

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暑いし、潮風がベタベタするけど、とにかく景色が最高。

あの橋のところでうちの奥さんが走行中の写真が地元の新聞で使われたりした。実はうちの奥さんは宮古島のほかにも、サイスポとか自転車日和とかいろんなところにインタビュー付き、名前付きで露出していたりして、メディアと何かとご縁があるのだ。

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海沿いから内陸に入れば、こんな田舎道をひたすら走る。後半は厳しい坂もあったりして、西陽に灼かれながら頑張った。うちの奥さんをずっと牽き続けてくれたトライアスリートの知人はこの島なら目をつむっても走れると豪語しており、約束どおり南端の灯台で知り合いに会うために予定通りリタイヤなさった(そんなリタイヤの仕方もあるんだなという衝撃、ちなみに僕は牽くどころか写真係としてインターバル走、自分の写真なんてほとんどない)。

 

ゴール直前、390号だったかを走行中、奥さんの目の前で事故に遭った。コンビニに入ろうとした軽自動車による左折巻き込み事故に遭って、旅行はめちゃくちゃ、台無しになった。

カメラ担当としてSPDSLシューズを履いていなかったことが幸いし、接触と同時にバイクを飛び降りて転倒。救急車で宮古島病院に運ばれたけど、車にぶつけた右腕の打撲と、数か所の擦り傷で済んだ。ヘルメットも擦り傷だけ、バイクも右のプラスチックのシフトカバーが少し割れた程度。すぐに救急車と警察が飛んできて、自動車による後方確認不足という形で処理され、運転手も良い人だったのでトラブルにはならずに終了した。

上述の通り大きなケガにはならず、その日のうちにホテルに戻ることができて、翌日は昨日リタイヤした知人が朝からホテルまで迎えに来てくれて、宮古島警察に事故処理の訪問をした後、飛行機の時間まで島内をワゴン車で案内してくれた。

 

そのときに、サイクリング翌日のレース集団最後尾を追いかけて車内からしばらく見学したのが次の写真である。

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ちょっとした接触事故でも二泊三日の楽しい南国旅行がめちゃくちゃになったのに、死亡事故なんて想像もつかない。それが身内の目の前で起きてしまったりしたら。

 

じつはたまたま今回の事故を間近でご覧になられた方がその時の様子をブログに記載されていて、幸か不幸かそれを目にすることができた(現在は編集・更新されており、その内容を読むことはかなわない)。失礼を承知で申し上げるが、その誠実な文言と丁寧な描写にとても心を打たれた。勝手ながら、多くの方に事故の恐ろしさを知ってもらうためにも、自転車業界全体のためにも、文章をそのままにしておいたほうが良いのではないかなんて思ったくらいだ。

接触事故を起こした方々を責める気もないし、亡くなられた方に鞭を打つつもりもない。誰が悪いとかじゃなくて、みなさんおっしゃる通り、死亡事故なんて本当はあってはならないのだけど、なんというか、その方の文章を一度は目にして、落車は爆弾テロみたいなものだからもう仕方ないで済ますしかないという持論から、そろそろ一歩進みたいと思った。

これまでの自分の考えに対する反省とともに。


【追記】

まだ分かってない人がいるけど、亡くなった方が落車した人だったのか、それとも落車した人たちを避けた方が、その結果亡くなったのかで問題は全く違ってくるでしょ。

落車した方が亡くなったのであれば、まだ分かる。理解はできる。でも前方で落車した人たちを避けた結果、側道に停まっていた車や電柱に衝突して亡くなったのだとしたら? 落車した人たちに突っ込むことを回避して、その結果亡くなったのだとしたらそりゃ納得いかないよね(落車リスクのあるレースに参加した時点で自己責任とかっていうのはいささか酷じゃないか?昨今はびこる「自己責任」論はろくな物じゃない)。誰が亡くなったってダメなんだけど、最初の落車を引き起こした人=亡くなった人とは限らないってことを考えよう。

落車も死亡も結果論だし、落車してしまった、させてしまった方々に死亡事故と直接の因果関係があったとしてもなかったとしても、起きてしまったことはもうしょうがない。取り返しがつかないこと。

でも遺族の方はもちろん、その落車の当事者の方々も「しょうがない」で済むかよって話。そのあたりの心情は察するべきではないかと思う。先頭集団に残って共に最後まで死力を尽くして走った人がもし自分の落車を避けた結果、亡くなったのだと思うと、僕だったら想像しただけで本当に死にたくなる。しかもそれがたかが趣味だから、たまらないでしょ。ご本人たちがどれだけ本気で、たとえ仕事や家族そっちのけで打ち込んでいたって、それで生計を立てているのでなければ所詮は趣味、遊びの範囲。この事故で思い出した、僕には原付を買ってイキってワインディングして転倒事故を起こした残念な兄がいたが、残念でなく誇りに思える存在だったとしても、身内からすれば(仕事ももちろんそうだけど)遊びで命を落とされてたまるか。もちろん部外者の自分が語ることでもない。

ツール・ド・宮古島は来年から中止になってしまうかもしれないし、この死亡事故に直接関係してしまった人はロードバイクをやめてしまうかもしれない。その結果が嬉しいのは常日頃からスポーツ自転車を目の敵にする人と、地元の開催反対派の方々くらい?それ以外はみんな不幸なこと。

【追記終わり】