やさぐれメモ

やさぐれた30代男性の自由帳

駄文

まだ小学校に上がる前の幼い僕や兄を散々、叩いたり、ひっぱたいたり、ビンタしたり、バチンバチンと頬を張ったり、蹴っ飛ばしたり、踏みつけたり、何度も強く踏みつけたり、ストンピングしたり、放り投げたり、投げ飛ばしたり、突き飛ばしたり、

 

そういうことを繰り返していたあの頃の父親の年齢に僕も近付いてきた。その年代になってみて、仕草や言動とあわせて思い返すと父は人間的に未熟で、精神的にも幼かったのだろう。それともよほど、僕や兄の態度や素行が悪かったのか。今、自分が父親になってみて今のところ、あのような暴力を振るう理由がないし、考えただけで吐き気がする。

 

その父が何度目かの心臓トラブルでついに死の床に伏して、ようやく三途の河のほとりに立った。死ぬ前になにか、あの頃やったことを思い出させてやろうとか考えてみたりもしたけど、無意味だし、面白くもない。好き勝手に生きて死に得だ。唯一、孫の顔を見ることなく逝くことくらいだろうけど、それもやはり誰にとっても意味がない。かといってふつうに三途の河に突き飛ばすのも面白くない。

 

こう書き綴ってみて、もう顔も思い出せないけれど、15歳で家を出されて20年も離れて暮らしてしまうと、もはや他人でしかない。嫌いを通り越して無関心だったけど、間もなく死ぬと聞いて、一周回って憎悪の気持ちがまたむくむくと沸いてきた。孫娘を抱かせてやったあとに、父の目の前で父のやったとおりにやって見せたらどう思うだろう。ニヤニヤ笑うのかな。自分の過ちを認めて悔悟の念に浸るとは思えない。やはりお互いに無関心が一番いい。

 

学費を工面してくれたのは母だ。というか扶養の義務を抜きにして両親には育ててくれたことに感謝しなければならないのが、癪だ。大学に合格した夜、つい頼まれて話を聞いてやってしまった。大学ちゃんと卒業して偉くなれ。就職後の高卒ゆえの苦労と悔しさと劣等感。学歴格差の壁。上司の息子が大学に進学することを自慢されて、自分が高卒であることをバカにされて絶対に許さんと思ったそうな。母によると父は数日後、まだ存命だったその上司の家を訪ねて小一時間自慢仕返してやったとか、もし本当なら暇な老人だな。お宅の息子が苦労して入った●●大学を滑り止めにして、もっと上位の大学に入れてやったよ。へっへっへっ。

 

僕も親孝行したじゃないか。これ以上ない親孝行。さっさと焼いてやるのに、母からはまだ連絡がない。