やさぐれメモ

やさぐれた30代男性の自由帳

忘れさせてもらえない、あの日

近所の小さな交差点に花とお菓子が供えてある。きちんと手入れされている。

ここで交通死亡事故が起きて、もう一年になる。供物はその時のものだ。

ある日の早朝、花を取り替えている男性を見た。加害者なのか、ご遺族なのか。それとも近所の善意の方か。

毎朝、この小さな交差点を通って通勤している。そのたびに、ここで人が亡くなったことを思い知らされる。

目撃者を募る警察の立て看板には、乗用車とバイクと書いてあった。それ以上の事故の経緯は知らない。交通量の少ないマイナーな交差点だ。

見通しは良くないけれど、優先道路ははっきりしている。飛び出さずにきちんと停止線で停止し、左右を確認すれば、事故は起きづらい。事故の経緯は知らないが。

亡くなった方を僕は知らない。でも、毎朝毎晩ここを通る度に供物が目に入る。まさにこの場所で人が亡くなったことを思い知らされる。毎朝毎晩思い知らされる。不謹慎かもしれないが正直、少しげんなりする。

交差点のずっと手前に停止線がある場合、いったん停止線を守ったあと、徐行しながら交差点まで前進して左右確認。後続車の追突に怯えつつも、僕はいつも教習所で教わった通りに運転する。それは習慣として根付いている。

戒めとして「忘れない」って繰り返す人。
「嫌なことはもう忘れたい」と言う人。

痕跡を残すべきか否か。
当事者かどうか、立場によって考え方はそれぞれ。だけど個人的には、この交差点はあまり気持ちのよいものではない。