やさぐれメモ

やさぐれた30代男性の自由帳

その日、S先生は怒鳴らなかった

今週のお題「思い出の先生」


S先生は今日も怒鳴る。
「ぃやさぐれぃ、ほんむぁえ、むぁたくわってにくわえったろぅ、くぉんのバカもんがぁ!」

訳。やさぐれ、お前また勝手に帰ったろ、このバカ者が!

やさぐれていた高校時代に僕を本気で心配して、本気で叱ってくれた先生がいました。

高校1年の僕は精神的に幼い級友たちと気が合わず、空虚な毎日。欠席・遅刻・早退を繰り返すぐうたらダメ生徒でした。

もちろん試験は赤点ばかり。点を取る目的もないので、やる気ゼロ。進路も生徒のほぼ100%が進学を希望するなか、なんとなく就職かなぁ、くらいにしか考えていませんでした。

高校1年の冬、偶然電車で出会った中学の先輩が僕を変えたできごとは、以前書きました。

ちょうどそのタイミングで担任のS先生からも真剣に諭されたことは忘れられません。

S先生は翌年に定年を控えたベテラン英語教師。見た目は古屋一行。白髪で真っ白の頭と飾らない人柄。親しみやすいお父さんキャラで特に女子から人気がありました。一人称が「わし」なこともあって、学校でも目立つ存在でした。

一方で僕は先生最後の授業もぐうたら欠席。三学期の期末テストは適当に答えて100点満点の9点。

答案返却日もサボったため、答案は三学期の最後の日に職員室で。

ほんまぇ、ぬぁにいい加減なことやっとるんじゃあ(怒)、、、ではなくS先生、この日はとても静かに話し始めました。

ここは県立高校だし、進級はさせてやる。だけれども、そろそろ自分の人生を真剣に考えろ。今のままではロクな大人にならんだろうから、わしはお前の行く末が心配でたまらん。お前はやればできるやつなのに、なんで物事に真剣に取り組まないんじゃ?


そのときは「相変わらずうるせぇな、このジジイが、、、」と無言で踵を返しましたが、一方でこうも思っていました。

「今に見てろよ、絶対に進学すっから! 四年制大学に合格してやっからな! 」

僕は一念発起、中学の勉強をやり直し、高校2年の夏から都内の予備校に通い始めました。

一方、S先生は嘱託として学校に残り、大学進学を目指す生徒を対象に放課後の補習講義を行っていましたが、僕は小さな意地もあって絶対に参加しませんでした。

後で聞きましたが、先生は激変した僕のガリ勉っぷりを温かく見守ってくださっていたそうです。補習、素直じゃなくてもったいなかったな。



先生、報告してなかったけど、俺、大学生になれたんだよ! 先生と同じ大学に入って、先生の後輩になったんだよ!